・作家紹介/Artist Information

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横田 海 / Kai Yokota

風景 SM

28章-29-F6

27章-11-F4

28章-27-F4

28章-18-SM

街景 F3

29章 -7- 紙に油彩

赤い風景 SM キャンバスに油彩

29章 -3- 紙に油彩

花 M6 キャンバスに油彩

横田 海 略歴
1934 東京生まれ
1968 新宿美術研究所にて麻生三郎、山口長男の指導を受ける。
1977 フオルム洋画研究所入所
1977 現代画廊の州之内徹に見いだされ、現代画廊で企画展5回
1989 美術ジャーナル画廊で個展数回
1993 1993年よりギャラリー銀座汲美にて毎年個展
2001 ギャラリー惣にて個展(3回)
2002 新宿小田急にて個展(2回)
2005 しらみず美術にて個展(2回)
2008 ギャラリーゴトウにて個展
2009 ギャラリーゴトウにて個展
2010-2013 ギャラリーゴトウにて毎年個展
 その他、福岡、山口、岐阜、名古屋、茨城、長野にて画廊企画展
 現在、茨城県竜ケ崎市に在住。

軌道から逸れていく絵

横田海の絵には、あるいは絵の具には、<逸>がひそんでいる。韋駄天小僧のように、逸れていく速さ。どんなに複雑に見えても、抽象でも、具象でも、画家は自分の作り出した軌道の上をいつしか回り始める。そのような軌道は横田の絵にも見えるけれど、しかしひそんでいる<逸>が、絵をぐいぐいきどうからそらしていく。やっきになって軌道は追いかけるが、逃げ足が速くてつかまらず、自分まで自分から逸れてしまう。箍がはずれ、何かが足元をすくわれる。絵具が歓声を上げる。横田の絵のどこか粗放な世紀をしのばせる個性的な白は、その快哉の色に見える。

最初、その<逸>がちょっと苦手だった。十数年前、同じ龍ヶ崎の画家川北英司の遺作画集を作る手伝いをした折に出割った。生真面目で、現場を訪ねることで最後まで絵を更新し続けた風景画家川北と、ずいぶん違う人なのに、優れたこの画家に寄せる思いが熱かった。タイプは違うけれど今改めて絵を見ると横田もまた、自分を新たにし続けることに純真な姿勢を持った画家だということに気付く。どの絵からも届く、韋駄天小僧の快哉の、かすれた、のびやかな声、ひんやりした、野分の風のような匂い、こまねずみのように動くことをやめない白い絵具と黒い絵具、新車のボディに尖った小石を押し付けて引いていくような線のスリルが、見つめる目にしみてくる。

美術評論家 大倉 宏

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