・展覧会案内/Exhibition Information

新井 九紀子 展

−ことばの肖像−

2006年3/20(月)〜25(土) 但し21(火)休廊
11:30〜18:30(最終日16:30まで)

目からウロコ

日本固有の伝統芸術の中には、創造性と今日的意識を持つことによって現代美術に繋がるものがいくつかあるが、その中でも最も芸術性が高いと思われるのが書作品である。
 見方を変えれば、書とは白と黒の造形であり、パフォーマンス性の強い身体表現である。同時にまた一回性とストロークと いう手法を持った線描画、つまりドローイングでもある。こう した特徴に魅せられた外国人アーティストがこれまで多数いた ことはよく知られている。
 京都在住の新井九紀子は、こうした書の持つ変化自在の表現力をさまざまな形へ展開してきたが、重荷となってきた伝統芸術の約束事や枠を自ら離れ、表現者としてボーダレスの世界を意識するようになった。作家は詩や文学から発想されるイメー ジを重視して、文字性を排除したところで、筆と墨と紙による 作品制作を開始する。それは白黒による面の構成であったり、 繊細で音楽的な線描によるシンフォニーであったり、また見たこともない記号の羅列であったりと、たいへん変化に富んだ作品となっている。
 日本が生んだ白黒芸術の多彩な表現は、見る者をして目からウロコの思いをさせることは間違いないだろう。

金澤 毅
美術評論家

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